徳島大学 教育・研究者情報データベース(EDB)

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学位論文: [徳島大学]/[課程博士]/正の選択を受けた皮質胸腺細胞のCCR7依存性髄質移動は,中枢性寛容の成立に必須である/20060324/[高浜 洋介]/[北川 哲也]

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219547
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2010年11月30日(火) 23:25:10
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黒部 裕嗣
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黒部 裕嗣
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学科・専攻 必須
  1. 徳島大学
学位 必須 課程博士
学位名称 必須
学位正式名称 必須 (英) MD, PhD / (日) 博士(医学) / (読) はかせいがく
言語 推奨 英語
氏名 必須
題名 必須

(英) CCR7-dependent cortex-to-medulla migration of positively selected thymocytes is essential for establishing central tolerance

(日) 正の選択を受けた皮質胸腺細胞のCCR7依存性髄質移動は,中枢性寛容の成立に必須である

副題 任意
要約 任意

(英) Immature CD4+CD8+ thymocytes, which are generated in the thymic cortex, are induced upon positive selection to differentiate into mature T lymphocytes and relocate to the thymic medulla. It was recently shownthat a chemokine signal via CCR7 is essential for the cortex-to-medulla migration of positively selected thymocytesin the thymus. However, the role of the cortex-to-medulla migration in T cell development andselection has remained unclear. The present study shows that the developmental kinetics and the thymic export of mature thymocytes were undisturbed in adult mice lacking CCR7 or its ligands (CCR7L). The inhibition of sphingosine-1-phosphate-mediated lymphocyte egress from the thymus led to the accumulation of mature thymocytes in the cortex of CCR7- or CCR7L-deficient mice, unlike the accumulation in the medulla of normal mice, thereby suggesting that maturethymocytes may be exported directly fromthe cortex in the absence of CCR7 signals. However, the thymocytes that were generated in the absence of CCR7 or CCR7L were potent in causing autoimmune dacryoadenitis and sialadenitis in mice and were thus incapable of establishing central tolerance to organspecific antigens. These results indicate that CCR7-mediated cortex-to-medulla migration of thymocytes is essential for establishing central tolerance rather thanfor supporting the maturation or export of thymocytes.

(日) 胸腺内にて分化途上のT細胞は正の選択に伴って皮質から髄質へと移住する.我々の研究室ではこれまで,ケモカインレセプターCCR7とそのリガンドケモカイン(CCR7 ligand, CCR7L)が正の選択に伴う皮質から髄質への移動に必須の関与を示すことを明らかにしている. そこで本研究では,CCR7あるいはCCR7Lを欠損するマウスを用いて,胸腺内T細胞の皮質から髄質への移動が免疫系の形成にどのように関与するか解析した.結果,CCR7欠損マウスあるいはCCR7L欠損マウスでのT細胞の胸腺内分化と放出は,成体期で正常であることが明らかになり,CCR7シグナル欠損マウスの成体胸腺では,皮質から髄質への細胞移動を伴わずにT細胞が産生され放出される可能性が考えられた. この可能性を検証するために,スフィンゴシン1リン酸受容体に結合することで,胸腺を含むリンパ器官から末梢血循環へのリンパ球移出を阻害する薬剤FTY720を成体マウスに投与し,成熟T細胞の蓄積停滞が胸腺内のどの領域でみられるかを解析した.その結果,正常マウスではFTY720投与による成熟T細胞の蓄積は髄質にみられたが,CCR7シグナル欠損マウスでの蓄積は皮質とりわけ皮質内の血管周辺領域にみられることがわかった.この結果から,CCR7シグナル欠損マウスでは,皮質から髄質への細胞移動を伴わずに,成熟T細胞が胸腺内皮質から直接放出される可能性が支持された. 一方,胸腺内では髄質上皮細胞がAIREなどを介して組織特異的抗原を発現し,組織特異的抗原に対する免疫寛容の成立に関与していることから,髄質への移動なしに産生され,胸腺から放出されたT細胞には,組織特異的抗原に対する中枢性自己寛容の成立に欠落がある可能性が考えられた.実際,CCR7欠損マウスおよびCCR7L欠損マウスでは,全身性抗原に対する胸腺内での負の選択は正常であったが,涙腺,耳下腺,顎下腺にて管腔構造の破壊を伴うリンパ球の浸潤が認められ,これら腺組織に対する組織特異的免疫寛容の成立に異常があることが示唆された.この異常は,5週齢以降の成体マウスでは統計学的に有意に認められ,涙腺で最も著明であった.これまでのところ,他の臓器に明らかな異常は認められていない.腺組織に浸潤している細胞はB細胞とCD4陽性のT細胞が主体であり,破壊組織には抗体の沈着が認められた.これらの結果から,CCR7欠損マウスおよびCCR7L欠損マウスでは自己免疫性の腺組織の破壊が認められることがわかった. 最後に,これらCCR7欠損マウスおよびCCR7L欠損マウスでみられる腺組織の破壊がT細胞生成過程での胸腺内異常に直接起因するか解析するために,CCR7L欠損マウスの胸腺細胞をリンパ球不全RAG-2欠損マウスに移植し,移植後6-8週間後の腺組織を観察した.その結果,涙腺をはじめとする腺組織にてリンパ球浸潤を伴う組織破壊が認められた.この移植マウスでは,成熟T細胞によるCCR7発現や宿主組織によるCCR7L発現には異常がないことから,腺組織の破壊は,移植前の胸腺におけるT細胞生成過程での異常に起因すると考えられた.更に,CCR7欠損マウスの骨髄細胞と正常マウスの骨髄細胞を同数混合してRAG-2欠損マウスに移植したマウスでも腺組織の破壊を認めた.このとき,胸腺内ではCCR7欠損骨髄由来胸腺細胞のみの髄質移動に異常が認められ,髄質形成や正常骨髄由来胸腺細胞の髄質移動には異常が認められなかった.また,正常マウスの細胞を移植した対照群のマウスでは腺組織の異常は認められなかった.これらの結果から,CCR7欠損マウスおよびCCR7L欠損マウスでみられる腺組織の破壊は,胸腺におけるT細胞生成過程での皮質から髄質への細胞移動異常に直接起因する可能性が支持された. 以上の解析に基づいて,胸腺皮質にて正の選択を受けた胸腺細胞の髄質への移動は,T細胞の成熟と胸腺移出に必要ではないが,自己腺組織に対する中枢性寛容の成立に必須であることが結論された.

キーワード 推奨
年月日 必須 2006年 3月 24日
指導教員 必須
  1. 高浜 洋介
  2. 北川 哲也
指導協力教員 任意
審査教員 必須
  1. 松本 満([徳島大学.先端酵素学研究所.重点研究部門])
  2. 松本 俊夫
  3. 安友 康二([徳島大学.大学院医歯薬学研究部.医学域.医科学部門.病理系.生体防御医学])
備考 任意