徳島大学 教育・研究者情報データベース(EDB)

Education and Research Database (EDB), Tokushima University

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授業概要: 2004/学部開放科目/有機化学1

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EID
103113
EOID
579892
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0
LastModified
2011年4月11日(月) 15:37:58
Operator
大家 隆弘
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TRUE
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承認済
Owner
[センター長]/[徳島大学.全学共通教育センター]
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種別 必須 全学共通教育 (授業概要)
入学年度 必須 西暦 2004年 (平成 16年)
名称 必須 (日) 学部開放科目 / (読) がくぶかいほうかもく
題目 必須 (日) 有機化学1
形態 推奨
コース 必須
  1. 2004/[徳島大学]/教養科目 学部開放分野/[共通教育]
担当教員 必須
  1. 長尾 善光
    肩書 任意
単位 必須 2
目的 必須

(日) 有機化学は生命科学における全てのジャンルを理解するのに不可欠で重要な学問である.その有機化学では数百万の化合物,数十の官能基,無数の反応の脈絡のない集合体を取り扱うように感じられるかも知れない.しかし,すべての有機化学反応の根底には,基本的な概念が存在する.有機化学は脈絡のない事実の集合では決してなく,少数の幅広い主題で統一された論理的な学問である.基本的な概念を理解し,それを幅広く適用できるようになれば,有機化学を学ぶことがもっと容易になり,機械的な記憶を避けることができる.

概要 必須
キーワード 推奨
先行科目 推奨
関連科目 推奨
注意 任意

(日) 有機化学は薬学のみならず生命科学における全ての学問分野を理解しえる重要な基礎学問である.その有機化学における化学反応の基礎概念をしっかりと学べるようにガイドする.有機電子論や化学反応モードを自分自身で参考書等を意欲的に読みながら理解していくと有機化学のみならず薬学がなんと魅力的であるかを知り,必ず諸君の将来の夢がふくらんでくる.

目標 必須
計画 必須
  1. (日) 1. 有機反応概説

  2. (日) 有機化学反応は主として"電子の流れ"により支配されているが,ほとんどは三つの基本的な反応形式?極性反応,ラジカル反応,ペリ環状反応?によって説明される.実際には,ある反応は複数に分類されるような特徴をもっており,どのカテゴリーにも合わない反応もある.しかし,反応のカテゴリーは多くの基本的な化学のプロセスをいくつかのグループにまとめるのに役立つ.特に極性反応は分子中の正と負の電荷同士が引き合う結果引き起こされる反応であり,有機化学のなかで最も重要な反応形式である.たいていの試薬は(a) 負電荷があるか,または電子に富む中心が存在する求核試薬,(b) 正電荷があるか,電子不足の中心がある求電子試薬である.したがって求核試薬は有機化合物分子の電子が不足して正に荷電した中心を攻撃するのに対し,求電子試薬は電子に富む部分と反応する.有機化学反応の多くは,この極めて単純な原則で理解できる.これを理解するために求核試薬,求電子試薬の概念を徹底する.

  3. (日) 有機化合物は普通の条件では非常に長時間空気中に放置しておいても変化しないのが常である.この有機化合物を反応させるためにはエネルギーをその系に与えねばならない.これは反応座標すなわち反応系から生成系への経路に対してエネルギーを目盛ることで示される.こうした反応エネルギー図から,次の二つの事実がわかる.すなわち出発物質と遷移状態の間のエネルギー差ΔG‡ は反応速度(いかに速く反応が起るか)を示し,出発物質と生成物の間のエネルギー差ΔG゜により平衡位置(どのくらい反応が起るか)を知ることができる.

  4. (日) 2. C=Cへの付加反応

  5. (日) 炭素?炭素二重結合をもつ炭化水素(アルケン)の構造と反応性に主題をおいて講義する.アルケンおよびアルキンにはπ結合があるが,その結合電子はσ結合に比べて原子核にそれほど強く引き寄せられていないため,π結合はσ結合よりも弱い結合であり,不飽和化合物特有の反応性の原因となっている.このような系の特性反応は,電子の欠乏した化学種,たとえばX+およびX?の働きで開始されるもので,陽イオンはπ結合のイオン開裂を誘起し,ラジカルはラジカル開裂を誘起する.そして前者はふつう極性溶媒中でよくおこり,後者は非極性溶媒中でとくに光の存在下でよくおこる.ここでアルケンと種々の求電子試薬との反応について述べ,求電子付加反応の配向性について考える.また非 Markovnikov 型のアルケンへのラジカル付加についても考える.

  6. (日) 3. 脱離反応によるアルケンの生成

  7. (日) アルケン化学が付加反応によって支配されているように,アルケンの合成は脱離反応によって支配されている.付加と脱離は多くの点で裏表の関係にある.

  8. (日) ここでは脱離反応の機構(E1脱離とE2脱離)について解説するとともに,一般的な脱離反応のなかの二つ,すなわちハロゲン化アルキルの脱ハロゲン化水素とアルコールの脱水について詳しく述べる.

  9. (日) 4. 酸化剤と還元剤

  10. (日) アルケンのヒドロキシル化および酸化的開裂,アルケンより誘導される1,2-ジオールの開裂は複雑な有機化合物を合成するうえで重要な官能基変換である.例えば,アルケンはアルカリ性 KMnO4 の溶液と反応して,1,2-ジオールを生じる.この反応では環状の中間体が生成し,次いでこれが加水分解されると考えられており,この環状中間体により2個の水酸基のシス付加が説明される.ここでは上記したような官能基変換に用いられる酸化剤(KMnO4,OsO4,オゾノリシス,過酸など)とそれらの反応しついて講義する.さらにアルケンへの接触水素化(還元)について述べるとともに,重要な還元剤(NaBH4,LiAlH4など)を用いた官能基変換についても講義する.

評価 必須

(日) 基本的には学期末試験の成績が重要.授業中に理解度をチェックする目的で受講者全員に授業内容について質問をし,その解答結果(話し方や応答も含めて)も成績評価の対象とする.

再評価 必須
教科書 必須
  1. (日) 教科書:J. McMurry 著 伊東·児玉ほか 訳 「マクマリー有機化学(上)」

  2. (日) (東京化学同人)

  3. (日) 参考書:P. Sykes 著 久保田尚志訳 「有機反応機構 第5版」(東京化学同人)

参考資料 推奨
URL 任意
連絡先 推奨
  1. 長尾 善光
    オフィスアワー 任意
科目コード 推奨
備考 任意
  1. (日) 開講学期:前

  2. (日) 2004年度は,火 3·4 開講